入学して初めに取り掛かるのが「憲法」だという方が多いのではないかと思います。
テキストを開いてびっくりしませんでしたか?
「ちょっと何言ってるかわかんない」(サンド冨澤氏風)
こんな状況に陥るでしょう。
ここではそんなあなたを救うため、勉強の基本中の基本をお伝えします。
あくまでも参考程度にしていただき、
あとはご自分でやり易いようにアレンジして学習を進めてくださいね。
学習方法とは?まず初めに目次を読もう!

法学部で勉強する上での基本的な学習方法になると思います。
本の構成の確認をしよう!
どんな本でも初めは「目次」を開いてみましょう。
この本は第1篇から第何篇まであるのか、
また、ひとつの篇の中には第何部まであるのか、
さらに、ひとつの部の中には第何章まであるのか、
というおおまかな本の構成を確認しましょう。
そして各タイトルを確認することで、この本がどのような流れになっているかを把握することができます。
これが分かっているだけで、頭の中が整理できるのです。
本編を軽く流し読みをしよう!
わからなくていいのです。
とりあえず一度本編を軽く全部流して読みましょう。
理解しなくていいです。
言葉もわからなくていいです。
理解できなくて当たり前なのですから。
「この言葉聞いたことあるかな」程度でいいです。
なぜ全部を流して読むかは目次を読むのと同じで、
何も知らないわからないまま本編を読み進めるよりも、
ザックリ見ておくだけで、頭の中の理解の仕方が変わってくるのです。
テキストは何度も何度も何度も読もう!
さて、一度全部流し読みしたところでなんのこっちゃわからないですよね。
そうしましたらじっくり読み始めてみましょう。
そして、何度も読みましょう。
法学部は「反復」の学問だと言われています。
初めは何を言っているのかわからなくても、何度も何度も何度も読むうちに、
なぜか「あ、こういうことを言っているのか」と理解できる日が来ます。
ほんと不思議ですが、理解できるようになっています。
ですので「反復」してください。
読んでもわからない、そんなときは?初学者用の本を読もう!
とくに法学の初学者にとって、憲法のテキストは難しく感じると思います。
しかもテキストは、日本国憲法の条文順に解説しているわけではないですしね。
単語のひとつひとつの意味がわからないと思います。
そこで基本中の基本、「法律用語辞典」があるとその単語の意味は理解できると思います。
たかが単語ひとつかと思いますが、頭の奥底ではそのわからない単語が引っかかっていて、
その文章を理解するのに無駄な時間を要しています。
さっさと調べてしまえば次に進むことができますよ。
単語でしたらネットでも調べられますが、正しい情報であることには注意を払ってください。
それでも全体がわからないときは、その指定テキストを一度置いて、
初学者用の本を読みましよう。入門の本です。
筆者は、伊藤真著の入門シリーズを読みました。とてもわかりやすいです。
このような入門編を読むだけでかなり理解が早まると思います。
判例百選は必須!
テキストの中に判例の日時が記載されていますよね。
「最大判1959・12・16刑集13巻13号3225頁」みたいな。
テキストではほんの一部しか載っていないので、
このような判例は「判例百選」で必ず確認してください。
憲法でしたら「別冊ジュリスト憲法判例百選」です。
事実の概要、判旨、解説が載っています。
これも慣れるまでは読むのが大変ですが、法学を学ぶ上で避けて通れない本です。
その事件の何が問題で、学説はどう言っているのか理解できます。
「法学教室」の定期購読もおすすめ!
法学部での勉強を始めたばかりではちょっと難しめな内容かもしれませんが、有斐閣から出版されている「法学教室」という雑誌を定期購読するのも良いと思います。
大学の先生のコラムや時事ネタなどがあり、読み応えがあります。
なぜ定期購読かは、それはもちろん1冊ずつ毎月買うより安いですし、自動で届くからです。
筆者の場合、その法学教室に特集されていた記事について、まるまる試験に出たことがあります。
本当にたまたまですがラッキーでした。
判例も読んでおかないと答えられない問題でもありましたし、注目されていた判例だったので興味深く読んでいたのです。
難しければ興味のあるところだけでも勉強になると思います。
単位修得試験対策は?ミニレポートを作成しよう!

一度で受からなくて当たり前。でも対策は大事。
「◯◯について、学説、判例を踏まえて論述しなさい。」という問題は判例を確認!
例えば憲法の場合、単位修得試験の出題範囲がシラバスに記載されていると思います。
試験を受ける出題範囲の理解はもちろん、
テキストに出ている判例は必ずチェックしておきましょう。
なぜなら、出題の内容が主に
「◯◯について、学説、判例を踏まえて論述しなさい。」というものが多く、
判例が分かっていないと答えようがないからです。
試験はリポートと同じ!
リポート設題も単位修得試験も、答え方は基本的に同じです。
ですので、試験対策として、
自分でテキストから「◯◯について、学説、判例を踏まえて論述せよ。」という予想問題を作り、
ミニレポートを作成すると理解が深まり試験でも答えられると思います。
解答例としては、
①定義や意義、趣旨を書く。
『◯◯とは△△△である。◯◯について、憲法◉◉条に「・・・」と規定されている。』
②論点を整理し、学説と判例を書く。
『問題の所在は****である。問題の所在について、学説のA説はこう言っていて、B説はこう言っている。この判例(▲▲事件)では、こんな理由でA説が採られている。』
③私見を書く。
『こんな理由でB説には反対だ。一方のA説はこんな理由で妥当だと考える。』
・・・みたいな感じで。
単位修得試験問題冊子は全部とっておこう!
なにかしらのリポート提出して常に試験を受けられる状態しておき、
年8回の全部の試験を受けて、
というか、卒業できるまで、
単位修得試験問題冊子を全部とっておきましょう。
過去問が大事です。
過去問があることで、各科目の試験のクセがわかってきます。
ここの章がよく出題されるなとか、
◯月になるとこの辺の問題が多いなとか、
この問題は過去に何回も出てるなとか。
ある意味ヤマを張ることになりますが、それも必要です。
なぜなら、あんな分厚いテキストの中で、ほんの1行の問題が出るのですよ。
テキストの全てを理解、暗記なんて無理です。
ですので、傾向と対策が重要なのです。
さいごに

いかがでしたでしょうか。
法学って地味なのかもしれませんね。
反復反復ですものね。
でも、初めは理解できなくても、何度も読むことで必ず理解できるようになります。
理解できた瞬間、快感なのですよ。
「わ!わかった!こういうこと言ってるんだ!」ってね。
ちなみに、法学は「1+1=2」のような答えはありません。
条文があるからといってその条文通りが答えではありません。
条文は「解釈」次第です。
A説とB説の学説の争いがあり、判旨があって、ではあなたはどう思いますか?
というのが法学の学問です。
それが、法政大学通信教育部法学部の学習の目的、
「法的なものの考え方=リーガルマインド」を養う
ということなのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。