初めに申し上げておきます。
車間距離を詰めることはデメリットでしかありません。
最近「あおり運転」なんてものが流行っていますが、一向に減る気配がありませんね。
車間距離を詰められて「嬉しい!」「ありがたい!」「幸せ!」と思う人は皆無でしょう。
車間距離は詰めるものではありません。
空けるものです。
というわけで、
今回は車間距離を空けるとこんなメリットがあるよということをお伝えしたいと思います。
みなさまの安全に繋がれば嬉しいです。
車間距離を空けるメリット7選

早速、結論からお伝えします。
その1 玉突き事故を防ぐ
よくある状況としては、渋滞時の後方や信号待ちでの停車中があります。
高速道路で渋滞が発生した際に前方の車がハザードを点滅させているのは、
「この先渋滞してますよ。スピードが落ちてますよ。止まりますよ。」の意味があって、後方からの追突を避けるためです。
それでも追突が避けられない場合がありますよね。
このときに前車との車間距離を空けていると、万が一後ろから追突されても自分の車が前車に追突する可能性を少なくすることができます。
後ろから来る車のスピードにもよりますが、もし前車に追突してしまっても大きな事故にならなくて済む、もしくは怪我を防ぐことで物損だけで済むという効果があります。
玉突き事故は先頭車両でない限り過失を負うことになるので、車間距離をあけてできる限り事故を避けましょう。
その2 前車が急ブレーキをかけても追突を防げる
何かの理由で前車が急ブレーキをかけることはあるでしょう。
そんなときに車間距離が空いていると、前車への追突を避けることができます。
車間距離がない状態の走行中に、前車のブレーキランプが点いたと同時にブレーキを踏むことができますか?
前者は急ブレーキですよ。
無理ですよね。
追突事故を起こしてしまいますよね。
車間距離が空いていることで、もし右や左に人がいなくどちらかにハンドルを切れる状況であれば正面衝突を避けられます。
車間距離だけでなく、常に周囲の状況を把握して運転することで事故を減らせます。
その3 渋滞を防ぐ

「サグ部」という言葉はご存じでしょうか。
英語でたわむ、たるむ、下がるの意味の「sag」のことで、下り坂から上り坂に変わるそのへこんだ場所を言います。
サグ部と渋滞の関係は、上り坂になることで前車のスピードが落ち、後車がブレーキをかけ、そうするとその後車も、そのさらに後車も次々とブレーキをかけていきます。
これにより全体の車のスピードが落ちて渋滞が発生する仕組みです。
道路交通情報を聞くと、高速道路の同じ場所がいつも渋滞していることに気づきませんか?
その場所が「サグ部」であることもあります。
話を戻しますが、つまり「ブレーキを踏む」という行為が渋滞を発生させる理由です。
自分が渋滞に加担していることにもなります。
ではどのように渋滞を防ぐのでしょう。
それはブレーキを極力減らすこと、つまり、
「2、3台先の前方車の状況の把握+十分な車間距離=ブレーキ数を減らす」
です。
方法は、
渋滞のときに進んでいるスピードをある程度把握しておいて、2、3台先の前方車の状況も確認しながらゆっくり進みます。
もちろん車間距離は十分にあけておきます。
2、3台先の前方車がブレーキをかけたら、自分の前車もブレーキをかけることが分かりますね。
そのときに、自車のゆっくりとしたスピードと十分な車間距離によって、自車がブレーキを踏まずに済みます。
このことで後続車もブレーキを踏まずに済むことになり、全体のブレーキ数を減らし渋滞を抑えることができるのです。
車間距離を空け、ブレーキ数を少なくすることで渋滞を防ぐことができます。
その4 いざというときにUターンや車線変更ができる
大渋滞で動かないとき、「もうちょっと前の車が進んでくれたら・・・」っていうシチュエーションに遭遇したことありませんか?
「Uターンできるのに」や「車線変更できるのに」など。
これも車間距離があれば難しい話ではないですよね。
特に大渋滞のときは、ハンドルを切っても前車に当たらない十分な車間距離があることで、自車の避難に対処できます。
もちろん車を動かすときは、安全確認をすることやUターン禁止の場所など注意を払ってくださいね。
その5 緊急車両を通すことができる

これも車間距離があれば難しい話ではないです。
車間距離がないと左右どうにも動けなくなります。
緊急車両を通すには、ハンドルを切っても前車に当たらない十分な車間距離があることで車を端に避けられます。
もっともっと十分な車間距離があれば、緊急車両がちょっと他車を避けるスペースに充てることもできます。
その6 クリープ現象による追突を防げる
クリープ現象はご存じですね。
AT車でアクセルを踏まなくてもスルスルと前へ進んでしまう現象のことです。
「自分は常に100%絶対にブレーキをしっかり踏んでるよ」という方は次へ進んでください。
ふとぼんやり考え事をしていたり、ちょっと物を取ろうとしたり、しっかり踏んでいるつもりでいたり、何かと無意識だったりしているとき、ちょっと足がブレーキから離れることがあるかもしれません。
そんなときに車間距離が空いていれば前車との追突を避けることができます。
車の構造上、マニュアル車にはこのような現象は起きないのですが、AT車を乗る際は気をつけなければなりません。
その7 マニュアル車による上り坂発進の車体下がりの追突を防ぐ

マニュアル車に乗る方、トラックに乗る方は理解していただけますよね。
上りの坂道発進のときは一瞬車が下がる場合があります(サイドブレーキを上手に使用すれば下がらないのですが)。
そのときに車間距離のない後車がいるとかなり危険です。
上手く発進できれば良いのですが、エンストすることだってあります。
また、筆者の車はちょっと変わっていて、AT車なのですが坂道は下がります。
こういう車がいることもご理解いただいて、上り坂のときは十分な車間距離をあけてあげてください。
車間距離の法律と車間距離の空け方

車間距離を空けることは法律で決まっています。
道路交通法
道路交通法 第二十六条(車間距離の保持) 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるための必要な距離を、これから保たなければならない。(罰則 第百十九条第一項第一号の四、第百二十条第一項第二号)
道路交通法 第二十六条(車間距離の保持)
これにより違反者は、高速自動車国道等での違反で3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金、一般道路での違反で5万円以下の罰金となります。
「車間距離不保持違反」となるわけですね。
何メートル空けるかではなく数をかぞえるだけ
では何メートル空ければよいのでしょうか。
高速道路では「確認起点」という看板をもとに、時速80kmなら約80m、時速100kmなら約100mと言いますが、一般道路では何メートルとか言われてもわかりにくいですよね。
そこで簡単な方法があります。
埼玉県警では「安全車間距離保持『0102(ゼロイチゼロニ)運動』」
を推進しています。
前車が電柱や看板などの目標物に差しかかったときに「ゼロ・イチ・ゼロ・ニ」と数えはじめて、「ニ」のときに自分の車がその目標物と同じ位置に到達することで、約2秒の安全な車間距離を測れます。
ぜひやってみてください。
心に余裕を
基本的なことを言ってしまえば、
心に余裕を持って車間距離を空ければ、事故もトラブルも激減するのです。
割り込みされてイライラと怒る人がいますが、ほっときゃいいんです。
そしてその車に対しまた車間距離を空けてしまえばいいんです。
心に余裕があることで、そうした割り込みにも寛容になれて車間距離を空けることができますし、周囲の交通状況も把握できるようになって、事故を防ぐことに繋がります。
さいごに

いかがでしたでしょうか。
今回は、車間距離を空けるメリット7選をお伝えしました。
メリットがたくさんありましたね。
これらすべては、人生で余計な事故を減らすことに繋がります。
でもちょっと調べてみると、不自然に車間距離を空けるとイラつく人がいるようです。
なぜでしょうね。
後続車がどんなに車間距離を開けようが、自車には何の影響もないし、詰められるよりよっぽどマシだと思うのですが・・・。
あまり不自然ではない程度に車間距離を空けていきましょう。
では本日もご安全に!
最後までお読みいただきありがとうございました。