最近イライラして怒っぽくなったと思いませんか?
このご時世、思うように行動できなくなってしまいました。
友人に会えない、遊びに行けない、飲みに行けない、旅行に行けない、イベントに参加できない、在宅勤務で外に出られない、漠然とした不安などなど・・・。
ストレスが増えてついイライラして怒ってしまいます。
怒っても相手を傷つけてしまうし自分自身にも後悔が残るし、何のメリットもないことは分かっているのについ感情をぶつけてしまう。
怒る感情は人間として普通なのですが、出来る限り減らして穏やかに過ごしたいですよね。
この記事では、「イライラと怒りのメカニズム」と「イライラの解消法」をお伝えします。
イライラと怒りのメカニズム

「イライラ」と「怒り」はとても関連性がありますが異なるものです。
まずはそのメカニズムを理解しましょう。
イライラとは
初めに言葉の意味を調べましょう。
「いらいら」とは、
1 思いどおりにならなかったり不快なことがあったりして、神経が高ぶるさま。いらだたしいさま。「連絡がとれず、苛苛する」
「—と畳のはしへ射し入っている日影を見つめて」〈三重吉・桑の実〉
引用元:デジタル大辞泉
イライラの語源は「苛立つ」なのですが、その「苛」とは植物などのトゲ出ている事を言います。
トゲに刺されたときのチクチクした感覚や、光が強く照る不快な刺激を意味し、「いらだたしい」となったようです。
2と3の意味も関係があったのですね。
「いらいら」している状態は「神経が高ぶるさま」とあるように、心の中でイライラやモヤモヤしていて、まだ何も行動には移していないことがわかります。
怒るとは
「おこる」とは、
引用元:デジタル大辞泉
「いかる」とは、
引用元:デジタル大辞泉
「おこる」と「いかる」は、「気持ちを表す」「とがめる」「腹を立てる」というように、行動を起こしていることがわかります。
つまり「いらいら」と異なり、「怒る」は態度に出しています。
イライラと怒りのメカニズム

水風船と針を思い浮かべてみましょう。
水風船の中に「イライラ」の元となる水(マイナス思考)が溜まっていくとします。
「上司に理不尽なことを言われてイライラ」
「旦那が服を脱ぎっぱなしでイライラ」
「友人が同じグチを何度も話してきてイライラ」
「部下が全然思うように動いてくれなくてイライラ」など。
さらにこのご時世でカラオケも行けない、飲みにも遊びにも行けなくて発散する場所がない。
これらの「マイナス思考水」が水風船の中にどんどん溜まっていきます。
大きく膨らんだ水風船は針によって破裂しますよね。
その「破裂」が「怒り」で、「針」は「きっかけ」です。
針は、「◯◯であるべき」という「べき」を表していて、自分の理想や願望、重要視している価値観です。
「上司は筋が通ったことを言うべき」
「大人なのだから服は脱ぎっぱなしにするべきではない」
「友人なんだからグチは控えるべき」
「部下は上司の言うことに忠実に動くべき」
と言った自分の価値観の思うようにならないときや裏切られたことをきっかけに、針は水風船を刺して破裂する、つまりイライラが怒りに変わる瞬間です。
「マイナス思考水」が少なければ少ないほど破裂は小さくて済みますが、溜めたら溜め込んだだけ大きな破裂となります。
「針」を刺さない方法

価値観の例えである「針」を刺さない方法とは、「自分の価値観は他人の価値観とは違う」ということを知っておくことです。
先ほど「針」は「◯◯であるべき」という「べき」を表していて、自分の理想や願望、重要視している価値観だと言いました。
自分が「当たり前」「常識」「普通」だと思っていたその「べき」は、他人に共通する「べき」ではありません。
つまり自分の価値観と他人の価値観は異なるということです。
自分にとって「当たり前で普通」でも他人にとっては「当たり前で普通ではない」のです。
例えば、友人のAさんBさんCさんが14時に喫茶店でお茶をする約束をしたとします。
Aさんは「親しき仲にも礼儀ありと思っているので、14時前に着くのが当然」と思って13時50分には着いています。
Bさんは「14時の待ち合わせなんだから14時ピッタリでいいでしょう」と思って14時ちょうどに来ます。
Cさんは「友達なんだからちょっとくらい遅れたって大丈夫でしょう」と14時30分に来ます。
Cさんは必ず約束には遅れてくるので、特にイライラを募らせていたAさんは、今回ばかりはCさんに怒ってしまい喧嘩になってしまいました。
いかがでしょうか。
時間ひとつを取っても価値観の程度がそれぞれ異なるのです。
今まで生きてきた環境も経験も異なる他人は、自分とは同じ価値観ではないということを頭の中で理解しておくだけで少し心に余裕が生まれます。
例えば時間に関して言えば、「友人だったら◯◯分の遅刻ならまぁいいか」と許容範囲を広げておくのも良いでしょう。
あまりにひどい場合は、許せる時間と許せない時間を明確に伝えておくことも大切です。
イライラ解消法

イライラするシチュエーションはどこにでもあります。
どこでもできるイライラ解消法から、職場で、おうちで、おそとでできるイライラ解消法もご紹介します。
どこでもできるイライラ解消法

①深呼吸をする
深呼吸のやり方
1 息を全部吐き切ります。お腹がへこんですべての空気を出すイメージです。
2 鼻から数秒かけて出来る限りゆっくりと息を吸います。お腹が膨らむことを意識してください。
3 口からゆっくりと息を吐き出します。お腹の空気をすべて出すイメージです。
4 これを1分以上、一日に数回やります。
自律神経を整えることが大切です。
ストレス状態のときは交感神経が優位に働き、リラックス状態のときは副交感神経が優位に働いています。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れると免疫力が低下し体調不良が引き起こされてしまいます。
たかが深呼吸と思わないでください。
呼吸はとても重要です。
正しく深呼吸をすることで副交感神経を優位にしリラックスする効果があります。
②自分を俯瞰してみる
これは冷静になる方法でもあります。
もう一人の自分が上から見ているイメージで「あぁ、今自分はイライラしてるなぁ」と客観的に自分を見ます。
これだけで興奮状態から少しクールダウンできます。
③ガムを噛む
ガムを噛むと脳の神経伝達物質のセロトニンが多く分泌されます。
セロトニンは精神を安定させる働きがあります。
また、噛むことで記憶力や集中力も高まります。
一石二鳥ですね。
④ツボを押す
1「神門(しんもん)」手首の横シワの小指側のくぼんだツボ。
2「合谷(ごうこく)」手の甲の親指と人差し指の骨の分かれ目の少し人差し指側のツボ。
3「郄門(げきもん)」手首の横シワと肘もシワの真ん中あたりのツボ。
痛気持ちいい程度に押しましょう。
その他に「百会(ひゃくえ)」「肝兪(かんゆ)」などがあります。
職場でのイライラ解消法

①その場から離れる
一度その場所から離れましょう。
飲み物を買いに行くとか、トイレに行くとか、ちょっと場所を変えるだけで冷静になることができます。
その場所にそのままいるより、違う空気に、違う景色にするだけでリラックスできると思います。
許される環境であれば少し歩いてみると気分転換になるでしょう。
②思いを紙に書き出しシュレッダーする
思っていることを短時間ですべて書き出します。
口に出したいけど出せない汚い言葉も思い切り紙に吐き出して、もう書くことがなくなったらすぐにシュレッダーにかけましょう。
紙に書いてビリビリに破り捨てられれば気持ちがいいのですが、紙の一部が誰かに見られてしまう場合があるのでおすすめできません。
紙に書き出すことは感情を落ち着かせる効果があります。
書くことで視覚から客観視できたり、頭の中を整理することができます。
書くときは他人に見られないように注意しましょう。
おうちでイライラ解消法

①趣味に没頭する
ゲーム、映画、音楽、何でも良いです。
趣味に没頭することでストレスが発散されます。
嫌な現実から離れ、誰にも邪魔されない自分だけの世界に入ることは幸せな時間です。
②寝る
イライラしやすくなっている原因に睡眠不足があります。
たくさん寝てスッキリ起きた朝は調子が良いですし、なんだかご機嫌になりますよね。
多少の嫌なことも「まぁいいか」と流すことができます。
睡眠が重要だということはご存じだとは思いますが、自律神経を整える効果や免疫力を高める効果があります。
寝る前のスマホ操作はやめて、質の良い睡眠を取りましょう。
③ガーデニングをする
土いじりにリラクゼーション効果があります。
理由としては、
1 触覚:土をいじることでセロトニンの分泌が活発になります。
2 嗅覚:土の匂いがアロマテラピーの役割をします。
3 視覚:葉の緑や様々な花の色にリラックス効果があります。
4 聴覚:風の音や鳥の鳴き声などの自然を感じる音にリラックスできます。
5 味覚:自分が大切に育てた野菜を頂くことは幸せを感じます。
④涙活をする
泣ける話を読む、泣ける動画を見るなど、涙を流すことで副交感神経が優位に働きます。
なぜか最近気持ちが落ち着かない、鼓動が激しいといった状況であれば涙を流すことをお勧めします。
涙を流した後はストレスが緩和されてとてもスッキリします。
⑤掃除・整理整頓をする
お部屋が散らかっていませんか?
お部屋の汚れは脳の汚れです。
いらないものが近くにあるとそれだけでストレスになっています。
家に帰っても落ち着けなかったり、子どもに落ち着きがなかったりしたら、お部屋の状態を確認しましょう。
綺麗に片付けることは脳の働きにも影響を与えています。
⑥友人に電話をする
話をして吐き出すことで気持ちがスッキリします。
注意点としては、重い愚痴や繰り返す愚痴はやめるようにしましょう。
聞いている人は結構つらいです。
話した後は「聞いてくれてありがとう」とお礼を言いましょう。
できれば大笑いできるくだらなくて楽しい話がいいですね。
⑦マインドフルネスを実践する
ストレス軽減や集中力を高める効果があります。
難しいのではと思うかもしれませんが、実はとても簡単です。
マインドフルネスは「今この瞬間に意識を集中する」ことです。
例えば呼吸であれば、空気が鼻から入り肺に入っていく感覚や鼻から空気が出ていく感覚を、そのことだけを感じます。
食事であれば、色や形、匂い、食感や味、喉を通って胃に入る、そのことだけに集中します。
「今この瞬間」だけに意識を集中することで外部と遮断され、心が穏やかになります。
集中力が高まることから、大手企業が取り入れています。
おそとでイライラ解消法

①体を動かす
思い切りスポーツを楽しんだり、散歩をしたり、ストレッチをしたりして、汗をかくことでストレスを発散できます。
仕事などの日常を忘れ、気分をスッキリさせることができます。
②美味しいものを食べに行く
爆食いはいけませんが、美味しいものを食べると幸せな気分になります。
外に行けない場合はお取り寄せをしてみましょう。
頑張っている自分へのご褒美にちょっとリッチな食事はいかがでしょうか。
③美容院に行く
これがけっこうスッキリします。
突然「髪切りたい」という衝動にかられたことありませんか?
美容院でシャンプーをしてもらったり、長い髪を切ってスッキリしたり、美容院に行くことはリラックス効果があります。
④大声を出す
大声を出すをストレス発散になりますね。
カラオケで歌うもよし、ドライブをしながら歌うもよし。
絶叫系遊園地もいいかもしれません。
日頃から心がけてイライラを少なくする方法

日頃の心がけ次第で気持ちが楽になります。
精神的にも身体的にも健康でいることがイライラを少なくする方法です。
自律神経を整える
自律神経を整える、これが一番大切なのかもしれません。
自律神経が乱れると身体も精神も乱れていきます。
質の良い睡眠、バランスの良い食事、腸内環境を良くすること、軽く体を動かすこと、太陽の光を浴びること、これらが生きていく上で基本中の基本です。
気持ちの持ち方
① 出来るだけマイナス要素になるものは避ける
自分が発する言葉にも注意です。
マイナスな事を言うと、それが自分の耳に入り脳へ伝達していきます。
マイナスがそのまま自分に戻ってくることになり、良い影響は全くありません。
② 自分は自分、他人は他人
価値観の違う他人は自分と同じ価値観になるということはありません。
そして、他人を変えることはできません。
自分は自分、他人は他人と割り切る事で嫌なこともスルーできます。
③ 比較することをやめる
他人と比較しても何の解決にもなりません。
自分は自分自身を生きることに集中しましょう。
SNSを見て他人の生活に羨むようならSNSから離れましょう。
SNSを見る時間は必ず必要な時間ではありません。
自分だけの楽しい時間に費やして、自分の人生を充実させることが一番です。
④ 笑顔でいる
笑顔や笑うということは、ナチュラルキラー細胞という免疫細胞を活発にし免疫力を高めます。
病気を防ぐということもありますが、笑顔は自分の幸福感を高め、また他人も幸せにすることができます。
いつも笑顔で楽しそうな人のところに人が集まってきますよね。
笑顔の伝染はたくさん広げましょう。
自分を観察する
日頃から自分を観察してみましょう。
どのようなときにイライラしやすいのでしょうか。
体調不良が原因ということも考えられます。
例えば女性であれば生理との関連、更年期との関連があります。
男性でも更年期の症状があります。
サプリメント、薬、漢方を活用することや、体調が思わしくないのであれば、医療機関に相談といった方法もあります。
自分の体を良く見つめてみてください。
さいごに

いかがでしたでしょうか。
今回は『「イライラと怒りのメカニズム」と「イライラの解消法」』についてお伝えしました。
イライラや怒りが何であるか、また、自分と他人は違うんだということを理解しておくだけで、少し気持ちが割り切れるような気になりませんか。
そして、イライラの解消法はたくさんあります。
ご自身に合った解消法を見つけてみてください。
少しでも心穏やかに過ごせますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。