法学部に迷いのある方にこの1冊『法律の学び方』

法学部に迷いのある方にこの1冊「法律の学び方」大学

法学部に入学しようかなと思っているあなた、通信制法学部に入学したけど何だかつまずきそうなあなた、まずはちょっとこの1冊を読んでみませんか?


タイトルこそ「法律の学び方」ですが、条文・判例の読み方やノートの取り方といった技術的な話ではなく、学び続けるモチベーションの持ち方についての話です。

有斐閣の社章であるライオンの「シッシー」と鷲の「ワッシー」、そして法学教師の青木先生の会話形式で、150ページ弱のサラッと読める法学初学者への1冊です。


法律を学ぶということに、何かを感じ取っていただければと思います。

『法律の学び方 シッシー&ワッシーと開く法学の扉』青木人志 有斐閣 2020年

シッシーのキャラがちょっとしつこめ(笑)。
「ミヤケ」と「ナカノ」というキャラは編集者さんです。

あとがきも著者紹介も最後の最後まで読んでみてくださいね。

目次

第1部 プロローグ

第2部 講義

Ⅰ 避けて通れない「難しさ」

Ⅱ 「学び方」の意味

Ⅲ 法学者の「法学嫌い」自慢

Ⅳ 法律の影に隠れている人間

Ⅴ 抽象的な法律用語

Ⅵ 法律が踏み込んではいけないもの、そして、おカネについて

Ⅶ 刑事法で問題になること、そして、条文の背後に隠れた秩序や意味

Ⅷ 法と裁判はどうして必要か、そして、どこが素晴らしいのか

Ⅸ 概念装置で見る新しい世界と法律的な考え方

Ⅹ 当たり前だった世界のもろさと法律を学ぶ人への期待

第3部 エピローグ

こんなことが書いてあります

このお話は、あと数年で定年退職を迎える法学教師の青木先生が、残された教師生活の中で、法学初学者に対して何を伝えたらいいか、「法学の難しさ」について正直に話さなければならないのではないかと思うところから始まっています。

本当なら「おもしろいよ、楽しいよ」と伝えたいのでしょうけど、法学が難しいということは避けられないことですからね。

「法学嫌い」な法学者

立派な法学者の先生でさえ、初めは「法律学はおもしろくない。大嫌いだった。」とおっしゃっているそうです。

確かに勉強を始めてすぐですと「法学っておもしろい」とは感じにくいと思います。

日常用語とは意味の異なる法律用語だったり、読みにくい文章だったり、答えは一つではないことだったり、色々なことが今まで普通に生きて考えてきた脳とは「違う脳」を使うような感覚ですからね。
とっつきにくいかもしれません。

法学は、文学や自然科学のように感動するようなものではなく、おもしろさを感じるまで時間がかかってしまうものなのです。

法律家になるわけではないのに法学部へ入る

筆者も法律の専門家になろうなんてこれっぽっちも思いませんでした。

「法学部で勉強をしている」と他人に言うと、「弁護士になるの?」とよく言われました。
単純に、「法学部=弁護士」と思う人がほとんどなのでしょう。

この本によると、卒業後に法律の専門家にならない人の方が多数だそうです。

というか、そりゃそうですよね。
法学部卒の人がみんな専門家になっていたら、この世の中法律の専門家だらけです。

目標も目的も何もなくなんとなく法学部に入り、専門家になれない、ならないからこそ、法学を学び続けるモチベーションの維持が重要なのです。

だって、こんなに難しいのにふと我に返って「なんでこんなの勉強してるんだろ」と思ってしまったら、そこで勉強意欲が終了してしまいそうですからね。

著者の青木先生がおっしゃりたいのは、なんとなく法律を学び始めてしまった人に、法学の興味を持ってもらえるような「学び方」「心の持ち方」を伝えたいということなのです。

法学を学ぶ意味

積まれた本-1

勉強したことが日常で活かされます。

考える力を養う

法学ではひとつの問題に対し、A説、B説、C説・・・と法学者が唱えた学説がたくさんあります。
それぞれ「こんな理由だからA説なのだ」「こんな理由だからB説なのだ」と説得的に考え方を述べています。

これらを読み、自分はどう思うか、自分はどの説を推すかを考えて自分の主張を述べることになります。
これが「答えは一つではない」ということです。

どの説が正しいかではなく、自分はどう考えるかが重要であり、その考える力を養えるところが法学部なのです。

専門家にならなくても日常生活で役に立つ

法律学では定番の「三段論法」がありますね。
「① AはBである」
「② CはAである」
「③ よってCはBである」


これは法律の世界だけの話ではなく、日常どこででも使えます。
要は、冷静に論理で説得できるからです。

親への説得、上司への説得など、誰かを説得しなければならないシーンで、感情抜きに冷静に無駄なく説得できる方法を身につけることは、生きていく上でかなり役に立つ技術です。

こんな時代だからこそ

ここはぜひ130ページを読んでいただきたいです。

「こんな時代だからこそ法が武器になる」と著者の青木先生はおっしゃっています。

独学した筆者から

LAWと書かれた積み木

目標も目的もなく法学を学び続けることは大変なことだと思います。

まずは法律用語の正しい意味から理解しなければなりません。
ですがここが大切で、曖昧な理解のままだと先へ進むことができません。

でも一度調べて理解してしまえば、先へどんどん進むことができます。
すると、文章の言っている意味が理解できるようになり、学説も判例も理解できて読めるようになります。

そうするとこっちのもんです。
おもしろさがジワジワと実感できるようになると思います。

事案について自分が当事者だったらどう考えるかとか、どうやったら被害者を救えるかとか、自分のこの先の人生で遭遇しそうな事案かどうかとか、いろいろな角度から興味を持つことができたら、法学がおもしろく感じるかもしれません。

さいごに

危なっかしく積まれた本-2

いかがでしたでしょうか。
今回は『法律の学び方 シッシー&ワッシーと開く法学の扉』という本のご紹介でした。
法学を学ぶ方向性が見つかれば幸いです。

法学教師という職業も大変なのですね。
そうですよね、先生の初めの授業で法学のイメージが決まってしまいますものね。

でも通信制の場合はどうでしょうか?
基本的には独学で、講義を受けるということはありません。

勉強がつまらなく感じてきたら、スクーリングに行くのも手かもしれませんね。
先生の生の講義が聞けますし、質問もできますしね。
もしかしたら励まし合う友人もできるかもしれません。

ちなみに筆者は一度も講義に行ったことはありません。
友人もあえて作っていません。
自分のペースで勉強したかったので。

それでも法学に興味を持ってさえいれば卒業はできますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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